「ありがとう」はただの礼儀じゃありません。
夫婦やカップルが日々の暮らしを穏やかに、
そして長く続けていくための大切なコミュニケーションのカギなんです。
でも、実際は
「仲が悪いわけじゃないのに、なんとなく会話が減った」
「感謝の言葉が出にくくなった」と、感じていませんか?
その背景には、単なる仲の良し悪し以上の心理や日常の変化が隠れています。
この記事では、まず「感謝が減る現象」がどうして起きるのかを、
心理的な視点や日常の仕組みからわかりやすく解説します。
感謝が減るのは仲が悪いからじゃない

「当たり前」に囲まれる日常
付き合いが長くなると、最初の頃のドキドキや新鮮さは次第に落ち着き、
日常のルーティンが中心になりますよね。
実は、結婚後3年目ごろには
「相手の行動を『当たり前』と考えてしまいがち」になり、
感謝の言葉が減ってしまうというデータもあります。
結婚生活が進むと、パートナーの家事や気遣いを無意識に受け止めてしまい、
「ありがとう」が抜け落ちる一因になると考えられています。
(出典:総務の森掲載の花王株式会社「共働き夫婦の“ありがとう”に関する意識調査」より)
これは決して「仲が悪いから」ではなく、
人間の注意や認知の仕組みが関係しているのです。
人は同じ出来事を毎日見ていると、刺激として感じにくくなり、
ありがたみを感じにくくなる性質があります(心理学でいう「慣れ」)。
つまり、感謝の言葉が減ったから関係が冷めた、
ではなく、日常に慣れて気持ちが内面に沈んでいるだけということも多いのです。
「言わなくても分かる」は落とし穴
また、「言わなくても伝わっているはず」と思う気持ちも、
感謝の言葉が減る原因になります。
確かに長く一緒にいるほど、相手の気持ちを汲み取る力は強くなります。
ただし、それが「言葉にしなくても伝わっているだろう」という慢心につながると、
逆に言語化された感謝が減ってしまいます。
実際、夫やパートナーからの日常的な「ありがとう」の頻度に満足していないという声は多く、
「1週間に1回以上言われる」という人が約4割程度である一方、
「年に1回未満」という回答も見られるという調査結果もあります。
つまり、言葉としての感謝が日常的に足りていないケースは珍しくないのです。
(出典:ロッテちょこっと幸せ研究所調べ)
感謝が減るのは関係の危機サイン?
一見ネガティブに感じるかもしれませんが、
感謝の言葉が少なくなること自体は関係が悪化している決定的なサインではありません。
それよりも重要なのは、
目に見える小さな行動や気遣いを言葉にして伝える習慣があるかどうかです。
感謝は「あなたの存在を価値あるものとして認識している」というサインであり、
その言語化が関係の満足度を高めるカギになります。
実際、パートナーに対して感謝を表現する人は、関係の満足度や相互の協力行動が高まる傾向がある
という研究も報告されています。
(出典:Scientific Reports掲載論文より)
感謝することが減る背景には、
✔️ 慣れによる感情の鈍化
✔️ 言葉にしなくても伝わるという思い込み
✔️ 日常の忙しさに埋もれる些細な行動
といった理由があり、仲が悪いから起きるものではありません。
むしろ、そこに気づけるあなたこそ、
夫婦やパートナーシップを大切にしたいと思っている証拠でもあるのです。
「ありがとう」は自然に湧かせなくていい

感謝は“気持ち”じゃなく“行動”
「ありがとう」は本来、感情の自然な現れだと思われがちですが、実は違います。
心理学の研究でも、感謝の気持ちを表現すること自体が
パートナーとの関係を前向きに保つ行動につながると示されています。
言葉や行動として表すことで、相手へのポジティブな認識や関係を保つことが促進されるのです。
例えば、感謝の気持ちを表現する人は、相手の良いところに目を向けやすくなり、
関係を維持するための行動が増えることが研究で確認されています。
(出典:PubMed掲載の心理学研究論文より)
つまり、「心から湧かなきゃ」と待つ必要はありません。
意識的に「ありがとう」を言葉にする習慣をつけるだけで、
関係に良い影響を与えることができるのです。
感謝の表現は関係満足度に直結
実際の研究では、感謝の気持ちを伝えることが、
恋人関係や夫婦関係の満足度と関わっていることが示されています。
感謝の気持ちを伝える人も、受け取る人も、
関係の中にある「良いところ」に目が向きやすくなり、
その結果、パートナーへの好意や信頼が自然と高まっていく傾向があるようです。
これは単なる気持ちの問題ではなく、気持ちを共有する手段として、
関係の心地よさを支えていると考えられています。
また、パートナーから感謝されていることを感じること自体が、
関係の持続や安定にもつながるという研究結果もあります。
特に感謝の気持ちを受け取ったと認識することで、信頼感や安心感が高まり、
日常のストレスや言い争いの影響を受けにくくなるという報告もあります。
(出典:Scientific Reports掲載の心理学研究より)
「行動としての感謝」に意味がある
感謝することはただ待っているだけではなく、「行動として表すこと」に意味があります。
たとえば、
- 朝のゴミ捨てに「ありがとう、すごく助かるよ」と伝える
- 仕事から帰ってきたときに「今日もお疲れさま」と一声かける
- ちょっとした気配りに「気にかけてくれて、ありがとう」と伝える
…など、日常の小さな行動が言葉として表れることで、関係のポジティブな循環が生まれます。
このように意図的に言葉にすることで、感謝の頻度や質が高まり、
パートナーが「自分は大切にされている」と感じやすくなります。
言葉にすることが“関係を育てる”
人間関係の心理学では、
言葉にして伝える行為自体が相手との関係性を強化することがわかっています。
感謝の気持ちを言葉にすることで、
相手の行動が認められたという実感につながり、
それが互いのやる気や協力行動を引き出すきっかけになります。
「言わなくてもわかる」は一見美徳のようですが、
夫婦やカップルの関係においては、
実際に言葉にして伝えることが、関係の満足感や安心感につながるのです。
(出典:PubMed掲載のAlgoe et al.(2010)より)
感謝の言葉は自然に湧くものだけではなく、意図して作るものでもあります。
「ありがとう」を意識して使用したり、行動に落とし込むことで、
夫婦やカップルの絆はぐっと深まっていくはずです。
旦那への「ありがとう」を増やす具体例

日常生活で「ありがとう」を言葉にすることは、ただの礼儀以上の意味があります。
研究では、
感謝を言葉で伝えることが恋人や配偶者との関係満足度や信頼感を高める
という結果が示されています。
実際、日常的に感謝の気持ちを表現するカップルほど、
関係の満足度や一体感が高い傾向があると分かっています。
(出典:PubMed掲載の感謝表現とパートナー関係に関する研究より)
では、「自然に湧くまで待つ」のではなく、
意図的に「ありがとう」を作るにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは、日常の具体的な例とポイントを紹介します。
1. 日の始まり・終わりの一言
忙しい朝や疲れた夜でも、一言添えるだけで印象は大きく変わります。
例
- 「朝のコーヒー、用意してくれてありがとう」
- 「今日も一日お仕事お疲れさま!」
言葉にすることで、
感謝の気持ちが相手にダイレクトに伝わりやすくなります。
研究でも、言語化された感謝は相手の関係満足感にプラスに働くと示されています。
(出典:PubMed掲載の感謝表現とパートナー関係に関する研究より)
2. 小さな行動を見つけて言葉にする
日々の生活の中には、気づかないほど小さな優しさがたくさんあります。
この「小さな行動」を意識して言葉にすることが大事です。
例
- ご飯を作ってくれた時の「ありがとう」
- 洗濯物をたたんでくれた時の「助かったよ、ありがとう」
- 子どもと遊んでくれて「ありがとう!〇〇ちゃんも絶対嬉しかったと思う」
このような言葉の積み重ねが、“ありがとうの循環”を生み出します。
実際に、その積み重ねが、
関係をより良い方向へ自然と循環させていくことが研究でも示されています。
(出典:PubMed掲載の感謝表現とパートナー関係に関する心理学研究より)
3. 感謝のタイミングは完璧じゃなくてOK
完璧なタイミングを狙う必要はありません。
むしろ「さっき思ってたんだけど…」と少し時間が経ってからでも十分効果的です。
ポイント
- タイミングより「伝えた」という事実が大事
- 忙しい最中でも言葉にしてみることで、感謝を伝えることが日常化する
言葉での感謝は、パートナーに「自分は大切にされている」と感じさせ、
関係の安定感を高める役割も持つことがわかっています。
(出典:ScienceDaily掲載の関係性心理学研究より)
4. 言葉だけでなく行動でも感謝を示す
言葉に加えて、小さな行動で感謝を表すのも効果的です。
行動は「ありがとう」の補強になります。
例
- 休みの日の朝ごはんを一緒に作る
- ちょっとしたメモやメッセージカード
- 言葉以外の愛情表現(帰宅した時のハグや笑顔)
これらの行動を通じて伝えられた感謝の気持ちは、
言葉だけの感謝以上に安心感や幸福感を生み出します。
5. 「ありがとう」ばかりだと感じたら…
感謝を言葉にする習慣はとても大切ですが、
時には素直な気持ちを直接伝えることも関係の深さにつながります。
例
- 「いつもありがとうね、本当に助かってる」
- 「○○してくれて嬉しかったよ」
具体的な理由付きの感謝は、より存在価値を強く伝えます。
これは恋愛心理学でも、感謝が関係満足や信頼度を高める要因として挙げられています。
(出典:PubMed掲載の恋愛関係における感謝表現の心理学研究より)
ポイントのまとめ
✔️ 一日の始まりや終わりに一言添える
✔️ 小さな行動を見逃さず言葉にする
✔️ タイミングにこだわらず伝える
✔️ 行動でも感謝を示す
✔️ 理由を添えた「ありがとう」で深さを出す
感謝が増えると夫婦関係がどう変わるか

空気がやわらかく変わる
「ありがとう」と言われた瞬間、心がふっと緩んだ経験はありませんか?
実はこれ、感覚的な話だけではありません。
心理学の研究では、
感謝の言葉を受け取ることでストレスが軽減し、幸福感が高まることが報告されています。
特に夫婦やパートナー関係においては、感謝の表現が頻繁なほど、
精神的な安定度が高くなる傾向があるとされています。
(出典:HuffPost掲載の心理学者による研究紹介記事より)
たとえば、「ありがとうね」「助かるよ」という一言があるだけで、
家庭内の空気はピリッとしたものから、安心感のある雰囲気へと変わります。
感謝の言葉は場の空気を調整する、いわば“クッション”のような役割を果たすのです。
会話と協力が自然に増える理由
感謝の気持ちを言葉にして伝え合う夫婦は、そうでない夫婦に比べて、
日常的な会話量や協力行動が増えやすいことがわかっています。
感謝の気持ちを伝えられることで、
「自分の行動は認められている」「この関係に価値がある」という感覚が強まり、
相手のために何かしようという気持ちが生まれやすくなるからです。
実際、感謝の表現を習慣的に行うカップルほど、
- 相手への配慮行動が増える
- 衝突や口論の頻度が下がる
- 関係への満足度が高い
といった傾向が確認されています。
(出典:ScienceDaily掲載の感謝表現と夫婦関係に関する研究より)
これは「感謝 → 安心感 → 協力 → さらに感謝」という、
ポジティブな循環が生まれている状態です。
「わかってもらえている」が土台になる
夫婦関係で大切なのは、意見の一致よりも
「理解されている感覚」だと言われています。
感謝の言葉は、相手に対して
「あなたの行動をちゃんと見ている」
「あなたの存在を当たり前だと思っていない」
というメッセージを明確に伝えます。
研究でも、
感謝を感じていると認識すること自体が、関係への信頼感や親密さを高める
と、示されています。
感謝の言葉は、愛情を言語化する最もシンプルで、かつ効果的な方法のひとつなのです。
(出典:Nature Scientific Reports掲載の夫婦関係に関する心理学研究より)
小さな感謝が「大きな安心」に変わる
ここで大事なのは、特別な出来事やドラマチックな演出は必要ないということ。
毎日の
- 「ありがとう」
- 「助かったよ」
- 「お疲れさま」
といった小さな言葉の積み重ねが、
「この人となら大丈夫」という安心感を育てていきます。
感謝の言葉が増えると、
- 家庭内の空気が穏やかになる
- 会話や協力が自然に増える
- 不満がたまりにくくなる
こうした変化が、少しずつ、でも確実に起きていきます。
仲良し夫婦は「感謝の量」を意識している

気持ちより「量」に目を向けている
長く仲良く続いている夫婦に共通するのは、感情の浮き沈みがないことではありません。
むしろ、「気分が乗らない日でも、感謝の言葉を減らさない」ことを意識している点にあります。
心理学の研究では、
関係満足度の高いカップルほど、日常的にポジティブな言葉を多く交わしている
ということが示されています。
特に有名なのが、夫婦関係における
「ポジティブ:ネガティブ=5:1」がひとつの目安になるという考え方です。
つまり、不満や指摘がゼロでなくても、
それ以上に感謝や肯定が多ければ、関係は安定しやすいということです。
(出典:Gottman Institute公式ブログ掲載の夫婦関係に関する心理学研究より)
仲良し夫婦は、「今日はどれだけ感謝を伝えられたか」という
量の視点を、無意識のうちに大切にしています。
冷めてから修復するより、冷めない工夫をする
多くの人は、関係がギクシャクしてから「どうしよう」と考えます。
でも実際には、
関係が悪くなる前の“予防”として感謝の言葉を使っている夫婦のほうが、
結果的に衝突が少なくなります。
感謝の言葉は、
- 不満が溜まるスピードを遅らせ
- 誤解が生まれにくい土台を作り
- 相手の好意を引き出しやすくする
という効果を持っています。
研究でも、日常的に感謝を表現する習慣があると、
関係のストレス耐性が高まり、衝突の影響を受けにくくなることが示されています。
(出典:ScienceDaily掲載の人間関係と感謝に関する心理学研究より)
つまり、「ありがとう」は問題解決のためだけでなく、問題を起こさないための言葉でもあるのです。
「感謝しよう」ではなく「感謝を作る」
ここで大切なのは、
「もっと感謝できる人になろう」
と自分を変えようとしすぎないこと。
仲良し夫婦がやっているのは、
・感謝できる出来事を待つ
のではなく、
・感謝できる場面を意図的に作る
という行動です。
たとえば、
- 相手がやってくれたことを一度言語化してみる
- 「当たり前」をあえて拾い直す
- 1日の終わりに1つだけ感謝を伝える
こうした小さな行動が、「感謝の量」を安定して保つ仕組みになります。
「ありがとう」が多い関係は、戻りやすい
どんな夫婦でも、すれ違う時期はあります。
それでも立て直しやすいのは、普段から感謝のやり取りが多い関係です。
感謝の言葉が多いほど、
「この人は敵じゃない」
「また分かり合える」
という前提が崩れにくくなります。
研究でも、感謝が多い関係ほど、相手の意図を好意的に解釈しやすく、
関係修復がスムーズになる傾向が報告されています。
(出典:PubMed掲載の感謝と人間関係に関する心理学研究より)
感謝の気持ちは、特別なイベントではなく日常の量で効いてくるもの。
だからこそ、完璧を目指さなくていいんです。
「今日はありがとうを一つ増やせた」
その積み重ねが、
長く安心して一緒にいられる関係を作っていきます。
まとめ|「ありがとう」を増やすだけで、関係はやさしく変わる
夫婦やパートナーとの関係は、
特別なイベントや大きな努力だけで保たれるものではありません。
むしろ日常の中で、
どれだけ「ありがとう」を交わせているか、
その量と習慣が関係の安定感を左右します。
感謝の気持ちは、自然に湧く気持ちを待つものではなく、
意図的に作る行動でもあります。
当たり前になりがちな家事や気遣い、何気ない協力に言葉を添えるだけで、
家庭の空気はやわらぎ、会話や協力が増えやすくなります。
感謝の気持ちを伝えることで
「見てもらえている」「大切にされている」
という安心感が育ち、それが信頼や親密さの土台になります。
完璧を目指す必要はありません。
今日ひとつ「ありがとう」を増やす、それだけで十分です。
その積み重ねが、不満が溜まりにくく、
すれ違っても戻りやすい関係を作っていきます。
感謝の気持ちの量を意識することは、
ずっと仲良くいるための、いちばんシンプルで確実な方法なのです。

